こんにちは。広告プランナーの野倉です。
今回は、9月に参加した「岐阜県長良川研修ツアー」をレポートします!
目次
開会式とプレゼンテーションで旅が始まる

ツアーは、朝の開会式からスタートしました。
会場には少し緊張した面持ちの参加者もいましたが、一人ひとりが自己紹介をするうちに、和やかで温かい空気が流れはじめます。
初めて顔を合わせる人が多いにもかかわらず、「同じ旅を共にする仲間なんだ」と自然と感じられる雰囲気が心地よく、少しずつ距離が縮まっていくのを実感しました。
その後に行われたプレゼンテーションでは、「長良川鵜飼」など岐阜の文化についての説明があり、一日の流れが紹介され、参加者の表情も次第に明るくなっていきます。
これからどんな景色や出会いが待っているのか——期待が胸いっぱいにふくらむ、まさに旅の幕開けのひとときでした。
岐阜駅を出発、旅気分に切り替え
ツアーはいよいよ本格的にスタート。
私たちは二班に分かれ、タクシーで岐阜駅を出発しました。
市街地を抜けるまでは、通り沿いに立ち並ぶビルや商店の姿に、まだ日常の延長のような感覚が残っていました。
しかし、車が進むにつれて景色は次第に変わり、窓の外には豊かな緑が広がる山あいの風景が姿を現します。
朝の空気には少し緊張感が漂っていましたが、道中で見える澄んだ空や山並みの美しさに心がほぐれていきます。
高揚感がじわじわと込み上げ、胸の中がわくわくした期待で満たされていきました。
白木恒助商店で出会う「時を重ねた古酒」

最初に訪れたのは、岐阜でも長い歴史を誇る老舗の酒蔵「白木恒助商店(しらきつねすけしょうてん)」。
こちらは、一般的な新酒や定番酒とは一線を画し、長い年月をかけて熟成させた“古酒”を中心に取り扱う蔵元です。
蔵に入ると、まず目に飛び込んできたのは、ずらりと整然と並んだ大きなタンクの数々。
タンクの表面には、醸造された年や当時の出来事が丁寧に書かれたラベルが貼られていて、一つひとつがまるで時代の証人のように並んでいます。
その前に立つと、ただお酒を仕込むための場所というより、日本酒とともに歩んできた歴史を保存する博物館のような雰囲気で懐かしさを感じました。

そしてここには、昭和54年に仕込まれた古酒まで眠っており、そのラベルの風合いが時の流れを物語っていました。
見学の途中、7代目蔵元の白木さんが印象的な話を聞かせてくれました。
なんと当時の蔵元である6代目は、お酒を造ってもあえて販売せず、長い年月をかけて寝かせ続けていたそうです。
そのため周囲からは「なぜ売らないのか」「そんなことをしても意味がない」と、変わり者扱いされることも多かったのだとか。
保存方法は、輸送用コンテナを利用し、夏は長良川の湧き水を外側に流して温度を一定に保つのだそうです。
実際に中に入ると、ひんやりとした空気が広がり、自然の力と職人の知恵を感じました。

酒蔵の見学を終えた後は、お待ちかねの試飲会。
ずらりと並んだ瓶には、右から3年・5年・10年・20年と、熟成の年月ごとに異なる古酒が入っています。目の前に並ぶだけで、その重みと特別感に胸が高鳴りました。
私自身は10年ものが一番心に残りました。熟成のバランスが絶妙で、口に運ぶたびに豊かな香りがふわりと鼻に抜け、心地よい余韻がじんわりと広がっていきます。
一方で、参加者の中では「フレッシュな飲み口の3年ものが好き」という声もあれば、「20年ものの重厚なコクに魅了された」という人もいて、意見はさまざま。
お酒というものは、やはり個人の味覚や感覚によって好みが大きく分かれるのだなと実感しました。
施設紹介
会社名:合資会社白木恒助商店
住所:〒501-2528 岐阜県岐阜市門屋門61
公式サイト:https://www.daruma-masamune.co.jp
川原町「泉屋」で鮎づくしランチ

昼食は、歴史ある町並みが残る川原町の「川原町泉屋」さん。
今回いただいたのは、鮎の魅力を余すことなく楽しめる贅沢なコース料理。さらに特別にオプションで「熟れ寿司」を追加し、まさに鮎尽くしのひとときとなりました。
食事は前菜から始まり、焼鮎の笹巻き寿司、鮎のリエット、炭火でじっくり焼かれた鮎の塩焼き、さらに香ばしい鮎うるか焼きと続きます。
衣がサクサクと軽やかな鮎と季節野菜の天ぷらには、山椒塩が添えられ、鮎の香りが一層引き立ちました。
締めには優しい味わいの鮎ぞうすいが用意されていて、心も体もほっと安らぎます。

社長は、ぞうすいを「鮎らーめん」に変更。
器の中には丸ごと一尾の鮎が豪快に入っており、そのインパクトに驚かされました。
あっさりとしたスープに鮎の旨味がしみわたり、見た目以上に繊細な味わいだったそうです。
そして、コースの中でもひときわ存在感を放っていたのが目玉料理の「熟れ寿司」。
長い時間をかけて発酵させることで生まれる独特の香りと、噛みしめるほどに深まる旨味は、まさに大人だけが楽しめるご馳走といった趣があります。
最初はその香りに少し驚きましたが、口の中で広がる複雑な味わいにどんどん引き込まれていきました。
「ぜひデザートと一緒に召し上がってみてください」と一言アドバイス。興味を惹かれ、私は少しだけ熟れ寿司を残しておくことにしました。
やがてテーブルに運ばれてきたのは、山椒を使った自家製ジェラート。
ひと口目から爽やかな香りが鼻に抜け、ひんやりとした口当たりとさっぱりとした甘さが、鮎づくしのコースで贅沢に満たされた舌をすっきりとリセットしてくれます。
いよいよ熟れ寿司とジェラートを一緒に口に運んでみました。
正直、寿司とデザートを合わせるなど思いもしませんでしたが、その意外性は驚きの美味しさに変わります。
熟れ寿司の奥深い発酵の旨味と、ジェラートの清涼感が見事に溶け合い、まるで新しい料理を味わっているかのような体験。
ここでしか出会えない特別な組み合わせだと感じました。
清流が育んだ鮎を存分に堪能し、最後は爽やかな余韻とともに大満足な昼食でした。
施設紹介
店名:川原町泉屋
住所:〒500-8007 岐阜県岐阜市岐阜市元浜町20
公式サイト:https://www.nagaragawa.com
庚申堂で伝承に触れる
食後は「川原町泉屋」さんの隣にある、庚申堂(こうしんどう)へ立ち寄りました。
こぢんまりとしたお堂の前に立つと、長い年月を重ねてきた静けさが漂い、まるで時代をさかのぼったかのような感覚になります。
ここで教えていただいたのが「庚申の日」にまつわる昔ながらの言い伝え。
60日に一度めぐってくる庚申の日には、人が眠ると体内にいる「三尸(さんし)の虫」が体から抜け出し、天帝にその人の罪を告げると考えられていたそうです。
罪が知られてしまうと寿命が縮んでしまうとされ、そのため庚申の夜には村人が集まり、一晩中眠らずに過ごす「庚申待」という風習が生まれました。
現代では考えられないような独特の風習ですが、当時の人々が神仏に守られながら生きていたこと、そして命を少しでも長らえたいと願う切実な気持ちが伝わってきます。
歴史の中で育まれた信仰に触れ、不思議で興味深い文化を垣間見ることができました。
「LONGGOOD」で香りを楽しむ

続いて足を運んだのは、クラフトジン専門店「LONGGOOD」。ここでは原料や香りにこだわったオリジナルのジンが作られています。
私は定番人気の「KUROMOJI+BERGAMOT」を購入。一口飲むとまるで深い森の中に迷い込んだかのような清々しさを感じます。
スッとした飲み口で後味も軽やか、食事と一緒に楽しんでも邪魔をしない上品さがありました。

一方で社長が選んだのは、秋季限定の「金木犀+スイートオレンジ」。名前の響きから甘い印象を想像しましたが、実際に口にすると想像を裏切る爽やかさ。
甘すぎず、むしろ後味はすっきりとした味わいだったそうです。
施設紹介
店名:LONG GOOD/長良酒造
住所:〒500-8008 岐阜県岐阜市玉井町12
公式サイト:https://longgood.jp
和傘の骨師との出会い

全国的に見ても非常に希少な和傘の「骨師」と呼ばれる職人。
その「骨師」である前田さんにお話を伺いました。
前田さんは、意外にも元自動車メーカーのエンジニア。
エンジン開発という最先端の分野で働いていたものの、電気自動車の普及が進むなかで「自分の未来はどうあるべきか」と考えるようになったといいます。
そこで心の奥にあった「自分はやっぱりものづくりが好きだ」という気持ちに気づき、思い切って和傘の世界に飛び込んだのだとか。
一見すると全く異なる世界ですが、「細部にまでこだわる姿勢」や「美しい仕上がりを追求する心」は自動車開発と共通しているのかもしれません。
その情熱と行動力に触れ、私自身も勇気をもらったような気持ちになりました。
和傘について語る前田さんの目は、とても真剣でした。昔は職人の数も多く、それぞれが切磋琢磨しながら技を高め合っていたため、質の高い和傘が数多く生まれていたそうです。
一方で、現代では職人の数が減り、和傘づくりは貴重な技術となりつつあります。それでも前田さんは「今の職人は、昔の名工を目標にして日々腕を磨いている」と力強く語りました。
その言葉には、伝統を途絶えさせまいとする誇りと覚悟が込められていて、聞いているこちらまで胸が熱くなります。
和傘は単なる雨具ではなく、日本の文化を映す“芸術品”。一本一本に職人の思いが宿っていることを実感し、改めてその価値の大きさを感じる時間となりました。
和傘CASAで伝統美に触れる

次に訪れたのは、和傘の展示販売を行う「和傘CASA」。扉を開けた瞬間、視界いっぱいに広がったのは、色鮮やかな和傘の世界でした。
朱色や藍色、深緑など、伝統色で彩られた傘がずらりと並び、店内は華やかな空間でした。一本一本に違った表情があり、職人の手仕事の温もりが伝わってきます。
参加者の中には「せっかくなら」と実際に購入される方もいて、手にした瞬間の嬉しそうな表情が印象的でした。
和傘には大きく分けて雨傘と日傘の二種類があり、用途によって使い分けられるそうです。
伝統工芸に触れるだけでなく、実際に持ち帰れるのも「和傘CASA」の魅力。
旅のお土産としてだけでなく、自分の暮らしを彩る品として、和傘を選ぶ楽しさを感じられるひとときでした。
施設紹介
店名:和傘CASA
住所:〒500-8008 岐阜県岐阜市玉井町6 CASA stella 1F
公式サイト:https://wagasa.shop
長良川デパートでお土産探し
旅の終盤には「長良川デパート」へ立ち寄りました。
落ち着いた店内を歩いていると、目に飛び込んでくるのは、岐阜ならではの魅力がぎゅっと詰まった品々。
職人技が光る関の刃物など、長良川流域ならではの逸品がずらり。
さらに店内の一角には地酒のコーナーも設けられており、種類豊富なボトルが並んでいました。先ほど訪れた酒蔵を思い出しながら、「飲み比べをしてみたいな」と眺めていました。
こうした地元ならではの品々に触れると、あらためて岐阜の豊かさを実感できました。
社長は、従業員へのお土産にクラフトコーラのシロップや地元味噌汁など、岐阜らしさが詰まった品々購入。
袋いっぱいのお土産を手にした姿に、旅の思い出を共有する温かさを感じました。
施設紹介
店名:長良川デパート
住所:〒500-8009 岐阜県岐阜市湊町45
公式サイト:https://nagaragawa.thebase.in
長良川鵜飼で幻想的な夜を体験

そしていよいよ旅のクライマックス、「長良川鵜飼」の時間がやってきました。
私たちは観覧船に乗り込み、川面を渡る涼やかな風を感じながら、鵜飼漁の開始を待ちます。
船上では豪華な夕食が用意されており、岐阜ならではの食材を味わいながら、ゆったりとしたひとときを過ごしました。

さらにこの時間を彩ってくれたのが、芸妓さんや幇間(ほうかん)さんによるお座敷遊び。
普段なかなか体験できない非日常的な空間に、参加者全員が自然と笑顔になり、会話も弾みます。
伝統芸能を目の前で楽しみながら食事をいただく贅沢さに、あっという間に時間が過ぎていきました。
やがて夜空に花火が打ち上がると、いよいよ鵜飼の開始を告げる合図。
川の上流から、篝火を灯した6艘の鵜飼船がゆっくりと姿を現しました。
水面に映る炎がゆらゆらと揺れ、暗闇の中に幻想的な光景を描き出します。

鵜匠の「ホウホウ」という掛け声、船べりを叩く音が静かな夜に響き渡り、鵜たちは見事な連携で魚を追い込みます。
篝火の明かりに照らされるその様子は、言葉を失うほど神秘的でした。

ツアーの最後を飾るにふさわしいこの神秘的なひととき。
「岐阜でしか味わえない特別な体験をした」という充足感が残りました。
旅のすべてが、この美しい瞬間で見事に締めくくられました。
最後に

今回の岐阜長良川研修ツアーは、まさに「長良川の魅力を五感で堪能する一日」でした。
酒蔵で古酒の深い歴史に触れ、鮎づくしの料理に舌鼓を打ち、和傘や庚申堂といった伝統文化に出会い、そして夜には長良川鵜飼という千年の歴史を持つ漁法を間近で体感。
どの瞬間も、岐阜という土地の豊かさが凝縮されていて、時間の流れがあっという間に感じられました。
一日を通じて印象的だったのは、体験そのものだけでなく、参加者同士の交流が自然に深まっていったこと。
酒蔵での試飲や鮎料理を前にした談笑、和傘を手に取って感想を言い合う姿、そして鵜飼を眺めながら感動を共有する時間…。
同じ体験を分かち合うことで、心の距離もぐっと近づき、旅の思い出がより特別なものになったと感じます。
そしてツアーの最後には、株式会社長良園さんからのお土産として、新商品『鵜飼せんべいLukka』を頂戴しました。
旅を締めくくる温かい心遣いに、最後まで笑顔が絶えませんでした。

商品紹介
商品名:鵜飼せんべいLukka
オンラインショップ:http://nagaraen-shop.com/